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今年も世界的なパンデミックの真っ只中でワイン業界は2022年を迎えました。
カリフォルニアの大きな山火事、フランスとイタリアの破壊的な4月の霜害、西ドイツの洪水に加えて、供給チェーンの停滞、さらに価格のインフレーションなどが生み出す不安定な状況が続いています。
こういった状況の2022年のマーケットトレンドはどうなのか、興味深い予測を拾って紹介します。
ワイン業界の幅広い分野の関係者を対象に行った調査と、関係者のインタビューから得た興味深い予測を数社の記事からあげてみました。

1.サプライチェーンの問題と価格インフレによる混乱
サプライチェーンの問題は、2022年の貿易のあらゆる側面を混乱させ続け、必然的な価格インフレと馴染みのあるブランドの不足を引き起こすでしょう。
これらの問題がシャンパン市場に影響を与えていることはすでに見てきましたが、専門家はその影響が更に広範囲に及ぶと予想しています。 「私たちの業界は、サプライチェーンの問題の影響を受けた他の業界と何ら変わりはありません。ワイナリーのインフレ価格が見られ始めています」と業界関係者は話しています。
またレストラン業界ではワインリストに載っているワインが高すぎるため、消費者はワインのオーダーを避けて他のアルコール飲料をオーダーする傾向が強くなって、レストランでのワインの売り上げは落ちていくことになるでしょう。その結果、レストランはワインの在庫を増やすことはしなくなると予測されます。また、この状況により、レストランが通常の大きなブランド名に代わるものを扱うブティック卸売業者に目を向けるようになると予測されています。

価格の上昇、出荷の遅れ、在庫の制限に直面して、買い手は通常の購買可能なオプションを超えて見ることを余儀なくされます。某社のMWのタイトルを持つチーフワインオフィサーは、2022年は、新進気鋭の生産地区や生産者が新たに発見さるだろうとしています。「これらの不足のギャップを埋めるために、ブルゴーニュやナパのカベルネといった身近なものに手を伸ばすはずだった消費者に、あまり知られていないワインを紹介するチャンスになると思います」と述べています。

2.ワインのカテゴリー分類の境界が曖昧になる。
長い間、ワインの世界は、主に色ごとにカテゴリーを分けてきました。しかし、境界を押し広げようとする若い世代の醸造家が、さまざまなワイン醸造法と技術を模索しているため、かつては安定していた分類が曖昧になり始めています。
例えばオレンジワインとか、白と赤の品種をミックスして発酵したワインはジャンルが曖昧です。また淡い色の赤ワインと濃い色のロゼ、冷やして飲む赤ワインといったワインが登場していることもカテゴリーの定義をぼかしています。将来的にはワインのスタイルを明快に分類できない状況がさらに増えると予想されます。
「このスタイルのワインの台頭は、人々が厳格な分類やラベルに束縛されずに、自分が何であるかを模索しているこの時代に適切なワインだと感じています」という哲学的な解釈もあります。

3.ナチュラルワインが新しい市場に進出
ニューヨーク、ロサンゼルス、サンフランシスコなどの沿岸の限定された大都市でいくつかのグループがナチュラルワインをカウンターカルチャーとして推し進める活動が行われていた時期がありました。しかし、ナチュラルワインに焦点を当てた小規模の輸入業者の数が増えるにつれ、この動きは、長い間、大規模な国内流通業者や企業所有のブランドによって支配されてきた地区に急速に浸透しています。
コロラド州デンバーのワインマーチャントは「2022年は自然派ワインへの関心が鈍化することはありません」と話しています。
このカテゴリーへの関心が米国全体に着実に拡大していることから、この動きはマイナーから新しいワインの柱へと移行すると予測されています。
「自分自身をワインを飲む人とは考えていなかった消費者が、ナチュラリストの信条に同感して、ナチュラルワインを飲むようになっています。私たちの地域の市場について話すと、他の飲料カテゴリー、特にクラフトビールから多くの人々がワインに移行しています。私の考えでは、ナチュラルワインは大いに成長の余地があります」とコロラド州デンバーのワインマーチャントは分析しています。

4. ネット販売はコロナ期に獲得した顧客をキープするためにクリエイティヴになる。
世界のビジネスが再開したにもかかわらず、オンラインによるワインの販売は引き続き好調です。 しかし、ネット販売の将来は重要な課題に直面しています。最近獲得した顧客を維持するためのクリエイティブな方法を見つけなければならないということです。
その成長を維持するための鍵は?
オンラインでワインを購入することは、信頼できる近所のワインショップで薦めるワインを求めるのと同じくらい満足のいくものであることを顧客に納得させることです。
「パンデミックの際に多くの新規顧客を獲得したので、過去1年間に行ったことは、顧客が従来の店舗や小売環境で得られるよりも優れた購入体験を提供できるように準備することでした」とWineAccessのチーフエクスペリエンスオフィサーは述べています。
またVivino のシニアコマーシャルディレクターは「デジタルプラットフォームの明確な利点は、消費者の購買体験をカスタマイズするためのデータの宝庫です」と指摘します。
「私たちは、どの店長が頭に入れておくことができるよりも、はるかに多くのデータを持っているので、個人のセールスパーソンよりも、はるかにパーソナライズすることができます」と説明します。
「今後5年から10年の間にオンライン分野で真の勝者となるのは、パーソナライズすることに重点を置いている私たちのような人たちです」とVivino のシニアコマーシャルディレクターは宣言しています。

5.スパークリングワインが日常の定番になる。
*この予測は私には確信がありませんが、興味日深いのであげてみました。
ニールセンの小売り販売データによると、スパークリングワインのカテゴリーは、過去2年間でアメリカの消費者の間で13%以上増加しています。シャンパンの不足と価格高騰の脅威があっても、すぐに衰える気配がありません。
ロイターによると、当然のことながら、シャンパンの売り上げはスパークリング市場のプレミアムセクターを支配しており、1月から8月までの売り上げは2019年の同時期と比較して11.9%増加しています。またプロセッコ・スペリオーレ、クレマン・ダルザス、プレミアム米産スパークリングワインでも同じ流れが見られるとしています。
これらのより手頃な形の泡に引き寄せられるにつれて、泡ものは、休日と特別な機会に飲むものから日常的に飲むワインの一部となるだろうと予測されています。
アメリカ国内販売の面ではまだ非常にニッチですが、スパークリングワインスタイルの代替の一つとして、曇った、王冠をかぶったペティラント-ナチュラルをあげています。
某セールスディレクターは「休日だけでなく、年間を通じてペットネットに関心が寄せられています。人々はもはやスパークリングワインが金曜日と土曜日の夜のためのものであるとは信じていません。彼らは月曜日と火曜日にpet-natのボトルをオープしています」と話しています。

SEvenFifty Daily と他のサイト(名前をメモするのを忘れてしまいました)の記事を使わせていただきました。