LipiFlow photo 1 RSZ

ドライアイで悩んでいる方がたくさんいらっしゃるかと思います。
目を守るのに欠かせない涙の量が不足したり、涙の質のバランスが崩れることによって涙が均等に行き渡らなくなる病気で、目の表園に傷がついてしまうこともあると、あるサイトに書いてありました。
高齢者、パソコンやスマートフォンの使用、コンタクトレンズ装着の増加に伴い、ドライアイ患者さんが増えているということです。
高齢者でパソコンとスマートフォンを頻繁に使う私も、長いことドライアイとの格闘(?)を続けています。
特に最近、症状が悪化して、車を30分運転していると、目が乾燥してしまって、物が霞んで見えて、運転するのが危険になってしまうのです。
車が靴であるアメリカ社会で車の運転ができないということになると、自由が大きく奪われてしまいます。運転を他の人に依存するというのは、独立感がなくなって悲しくなります。

悪化した原因は、スマートフォンの使いすぎです。ニュースフィードでどんどん入ってくるニュースを読んでると、あっという間に2時間かそれ以上の時間がたってしまいます。そしてパソコン。自主管理ができていない私にも責任があります。
私の母もひどいドライアイでした。弟が50歳で亡くなって、告別式に棺の蓋をするときに、「もう、行っちゃうの?」とまるで最愛の息子が生きているかのように優しく話しかけました。それを見た私は涙がボロボロ(その頃は若くてドライアイなんて関係なかったんですねえ)
でも母は涙を見せませんでした。
「気がしっかりした方ですね。涙、ひとつこぼさなかったですね」というご近所の方に、
「違うのよ、ドライアイで喉はヒクヒクなってたのに、涙が出ないのよ」と母。
就寝前にドライアイ用の目薬をさしてましたが、涙が出ないほどの深刻なドライアイとともに生きてたのだということが、今の私にはわかります。でも私にそれを嘆くことはありませんでした。私は家族にも友人にも嘆っきぱなしです(苦笑)

この5年間ほど、様々な療法をしてきました。
*涙と同じ成分の目薬をさす。
*ベビーシャンプーでまぶたを洗う(逆に目が乾いてしまいました)
*日本では温罨法と呼ばれていますが、新しいソックスに1カップの米粒を入れて縛って、レジで20秒ほど温めて、1日に二回、10分ほど目に当てる(効果はあるのですが、長期間当てていたら鼻にも当たっているので、鼻が赤くなってしまいました)
鼻に当たらないようになっている市販のアイマスク(電子レンジで20秒ほどあたためる)に変えて続けています。
*アイマスクで温めた後、まぶたをアイコットン?で拭くように(眼瞼清拭)という医師の指示に従って毎日実行してます。
*鍼医さんに通っています(体が慣れてしまったようで、以前より効果が薄れてしまいました)

新し治療法
メガネの調整にクリニックへ行ったらドライアイ専門の治療をしている先生が担当になって、新しい治療法を提案してくれました。。
LipiFlow という商品名前で出ている器具を使った療法でFDA(食品医薬品局 )に認可されています。同じ療法が違う商品名前でも出ているかと思います。
マイボーム腺機能不全の治療法です。マイボーム腺機能不全はドライアイ患者の86%が患っているというものです。まぶたの小さな腺が涙に十分な油を分泌しない症状です。涙のほとんどが水分ですが、水分が蒸発しないように涙の表面に油がのっています。その油を分泌しているのがまつげの付け根にあるマイボーム腺です。このマイボーム腺の働きが低下してしまう病気をマイボーム腺機能不全といいます。瞬きをするたびに涙腺から水分が、マイボーム腺から油が出るようにできています。LipiFlowは油が適切に出るようにするためにマイボーム腺の閉塞を取り除きます。
治療は簡単で、医師の診察室の椅子に座って、目の両まぶたをつまむような感じで15分ほど、まぶたのマッサージをします。
治療直後から目が潤ってきました。2週間ほどはかなり目が潤ってましたが、1ヶ月後になったら、スマートフォーンとコンピューターを使いすぎると、また目がかすんできました。でも治療前と違って、瞬きを15回ほどすると目に潤いが戻ってきます。
ソノマは空気が乾燥している上に、30度、時には38℃という高気温になって、目が見事に乾燥してしまいます。海辺に住んだらいいのかも(笑)
1ヶ月後に処置後のチェックに行ったら、まぶたに油の固まったものがあって、油が出るのを妨げていると言って、取り除いてくれました。するとドライアイが解消されて、物がくっきりと見えるのです。
目がかすむのは近視が進んだのではなくて、ドライアイが原因なのだということがわかりました。
症状はかなり良くなったのですが、もう一押ししたいとこころで、3週間ほど様子を見て、もう一度LipiFlowの治療をするかどうか決めます。この治療をすると1年は大丈夫なのだそうですが、私の場合は、あまりにも長い間この症状を直さずにいたので、腺がしっかりとふさがっているようです。
この治療後も、温罨法と眼瞼清拭を続けなければなりません。温罨法でまぶたを温めることでマイボーム腺の詰まりを緩和します。毛穴に似た構造のマイボーム腺の出口を開いて、油を溶かし、まぶたの血流を改善する効果があります。その後に、眼瞼清拭によってマイボーム腺から分泌されたけれど出口で詰まっている油をアイコットンで拭き取ります。

運転、パソコン、スマートフォーンの使用をやめなければならないのかと、心配しましたが、なんとか治療法があるようなので、安心しました。

日本のサイトを見ると、湿度を保つメガネが売られているんですね。アメリカにはありません。早くに日本へ帰ることができる日が来て、日本に帰ったら、ぜひこのメガネを買いたいと思っています。

ドライアイで苦しんでいる方がいらしたら、日本にこの器具が入っているかかどうかはわかりませんが、もし入っていないとしても、近いうちに入ると思います。ドライアイが改善される希望があることをお知らせしたくて書きました。