Vinotype (ヴィノタイプ)

ティム・ハナイ(Tim Hannai)をご存知の方は多いと思う。1989年に初めてMWを取得した二人のアメリカ人のうちの一人。第5の味覚として、旨味を英語圏に紹介(指摘?)したのも同氏。ベリンジャーで同氏のワインと味覚のセミナーを受けた方もいらっしゃるかと思います(古いね!)

同氏は、紆余曲折の私生活を乗り越えて、今も革新的な波を生み出す活動をしている

この情報は、2011年くらいから流されているけれど、今でも彼のミッションは十分に新鮮だと思うので、お伝えしたいと思います。

 

同氏のミッションは「どんなワインを飲むかは関係なく、ワインを飲む全ての人を理解し、尊敬し、受け入れるべき。多くの人にとってワインが楽しい飲み物であること、先入観を持ってワインを扱わないこと」だ。

そのきっかけになったのは、ワインのエキスパートたちがワイン消費者にどんなワインを飲むべきかと主張する代わりに、消費者は本当はどんなワインを飲みたいと思っているかを調査し始めたことだった。1999年に初めての消費者リサーチを実施。以来16年にわたって調査を続けている。目的はワインエキスパートの意見に影響されない消費者のワインの好みを知ることだった。

この調査、Wine Preference Survey は現在も続行中。

 

ワインのエキスパートである同氏が、こういう視点でワインを見るということが画期的。その間25000人の回答を収集した結果、ワインについて教えることと話すことの内容について再考をするべきと悟ったという。同氏のワイン教育法はソサイエティ・オブ・ワイン・エディケーターといった組織が使うようになっている。

ワイン業界は個人の好みを尊重する代わりに消費者に何を好むべきかを主張し、ひとつのサイズが全ての人にフィットするというアプローチを懲りずに続けていると指摘。ワインをより多く売る機会を失っているという。

毎日ワインを飲む消費者を理解し尊敬するという考え方は当たり前なことなんだよね。

 

コーネル大学やイギリスに本拠地を置くワイン・インテリジェンス・リサーチ社などとも提携。このうねりを広げている。

このリサーチに基づいて、個々の感覚(味覚?)や生理機能、人生経験(生活経験?)に基づいて4つのワインパーソナリティ(Vinotypesに分けている。

Sweet

Hypersensitive

Sensitive

Tolerant

簡単に説明してみます。カッコ内は意訳です。

Sweet(甘い)

ワインだけではなく、すべての食べ物に対してとても敏感。ワインの苦味とアルコールは甘さで包まれていなければならない。女性は約5人に一人がこのタイプ。そして女性は男性の3倍、このタイプが多いという。例えばホワイトジンファンデルが美味しく感じられる。ワイン業界ではホワイトジンファンデルが好きというと、見下げてしまう傾向があるけれど、これは味覚がソフィスティケートさ欠けているのではなくて、そういう味覚で生まれてきているのだから、見下げられる筋合いはない。

Hypersensitive(過敏)

男女の約3分の一がこのタイプ。敏感な感覚の持ち主。香りを愛し、アロマの記憶を楽しむ。甘さでカバーしたワインではなくて、やや辛口か辛口のアロマが豊かで口当たりのなめらかなデリケートなワインを美味しいと感じる。オーク風味と香りがたっぷりのビッグな赤ワインは避ける。スパークリングワイン、リースリング、ソービニヨン・ブラン、赤なら軽やかなピノがこのタイプに当てはまる。

 

Sensitive(敏感)

ワイン飲みの約4分の一がこのタイプ。新しいワインを飲んでみるのが好き。幅広いタイプの赤、白を楽しむ。甘口のスペクトルの中の辛口を好む傾向がある。

 

Tolerant(許容性)

例えば洗練されていないアルコール度の高い赤ワインに見られる、粗っぽさや苦味に対してあまり敏感ではない。このタイプは男性と女性では2対1だという。ビッグなカベルネが美味しいと感じる。高いアルコール度が甘さによって和らげるため、辛口のワインだと感じる。

食事をしているカップルで男性は濃いカベルネとか、オーストラリアのシラーズなんかを飲んでいて、女性はピノ・グリを飲んでいたとすると、Tolerant タイプの男性とHypersensitiveの女性ということ。

自分がどのタイプなのか知るのは楽しいし、このタイプのワインをなぜ美味しいと思うのかを知るのは興味深い。ワインの好みは人それぞれなんだと再認識すると、いろんな人たちとワインを飲むのが楽しくなる。多数の人と好みが違っていても、自分が初心者だからと引け目を感じたりしないでリラックスしてワインを楽しむべきだし、このワインが絶対だと感じる自分の味覚を人に押し付けるべきではないと自覚するべき。

このタイプを認識してお客さんに接すると、販売効果があるかも。

 

ちなみに私はSensitiveでした。

 

関心のある方は以下のサイトであなたのタイプを見つけてください。

www.myvinotype.com