No. 57-1 偉大なワインって?

偉大なワインって?

仲間とのディナーの会話。

まずはドイツの辛口のリースリングから。

「世界で最も偉大な白ワインはリースリングだと思うな」持参した友人が言った。

「赤ワインならブルゴーニュだよね」ともう一人の友人。

「ボルドーのファースト・グロス(第一級)より偉大なワインはないと思うよ。長い歴史があって、テロワールがある。長期熟成によって、ファンタスティックになる可能性が大きいしね」

この夜のディナーにはいなかったけれど、カリフォルニアの濃厚なシャルドネが最高と思う人もいるだろう。

イタリアワインが好きな人は

「適切に長く寝かせたバローロをぴったりとマッチする料理と合わせたときの美味しさといったら、これはなんていったって、世界一だよ」というかもしれない。

難しいよね。グリルしたビーフに合わせて偉大なリースリングを飲んでも、絶対に偉大なワインだという感動は沸かない。

暑い日には濃い赤より良質のロゼが最高と思うかもしれないし、あるいは合わせる料理でワインに対する感想が違ってくる。

「今まで飲んだワインの中で偉大なワインと思ったのは、何?」って、聞かれたときに、飲んだ場面、食べた料理、などと一緒に記憶しておくべきなのだろう。不精でその上、記憶力が落ちてきている私は、よほど強い印象が残らない限り、しっかりと記憶していることがない。

偉大なワインは?一番好きなワインは?って聞かれると答えに窮してしまう。