アメリカのフードチャンネルでは、まだアイロンシェフの番組を続けている。そのアイロンシェフの一人がミスター・モリモト。

昨年、ナパにレストランをオープン。お金持ちのソノマの友達から「エミコ、モリモトに行ったかい?」としばしば聞かれる。一応行ってみよう、でも高いので、まずはチェックから。昨年末にナパの友人宅でのディナーの前に、久しぶりに家族3人だったので、アペリティフにということで、モリモトへ寄ってみた。相棒はワインのマージンが高いのでワイン選びは冷ややか。娘はウニ入りカルボナラ、相棒はモリモト・ボーン・マロー(骨髄)、私はモリモト刺身とかいうのをオーダー。ウニ入りカルボナラはナパのために特別作ったレシピとか。まずくはないけれど、多分乾麺を使ってるのだと思ったけれど、娘と相棒は「これ何?」て表情。私の3段重ねの刺身は手間をかけていることはわかったけれど、高い割りには感激するほどでない。相棒のボーン・マローは15cmほどの骨の骨髄を掬い取って、料理した骨髄を埋めてあるユニークな盛り付け。味はいいけれど、照り焼きソースがこってりとかけてあり相棒は失望。

あまりお腹がすいていなかったし、スケジュールが詰まっていたので、落ち着いて楽しめなかったこともあるから、公平な意見にはならない。それで前置きが長くなってしまったけれど、ランチ時はお弁当があると聞いて、まずはそれからと思って行ってみた。

高い天井、辛子色の壁とソファ、広々とした空間。ダイニングエリアは広い。

ミスター・モリモトは1ヶ月に一度、1週間ほど滞在するという。レストランの建物の上階はマンションになっているのでそこのマンションを所有していて泊まるとのこと。

メニューを見るとカクテル(酒ベースのカクテルを含む)の種類が多い。バーのセクションは、しゃれた感じなので、カクテルアワーになると、ちょっとスノブな(ナパのスノブ)人たちが、ここにたむろする姿が目に浮かぶ。

テーブルにつく。透明のプラスチックの箸がまず目に付いた。割り箸ではなくてプラスチックの、それも中華料理の箸みたいにまっすぐのやつではなくて、日本の箸の形をした箸。もしかしたら韓国の箸?資源節約のためにはいいアイデア。

ランチセットは$25。マグロとハマチのにぎりがひとつづつと、サーモンロール、野菜のてんぷら、味噌汁かサラダのチョイス。後は日替わりで、ウニ入りカボナラ、醤油と生姜でマリネしたクロダラ(?)、牛肉の照り焼き、豚の角煮、揚げた豆腐入りカレー、グリルしたチキンから1つ選択。

ランチセット以外のメニューを見たら、日本のカジュアルレストランのメニューにあるような、ラーメン、冷たいうどん、鴨のミートボール入りスープ、おにぎり、石焼(2-6人)なんてのが載っている。この料理のお値段は1品が$10-$15.

味噌汁がどんな味か興味があったので、私は味噌汁とクロダラをオーダー。味は濃い目で、白いご飯がほしかった。味噌汁は鰹節の味がしっかりしていた。

何でも高いナパの相場では、$25のランチは価値があると思う。美味しかった。ナパのお金持ちは寿司バーのほうで、あるいはフユージョンの料理を、カジュアルな日本食をエキゾチックだと捕らえて、そういった日本食が食べたい白人たちも楽しめる料理と、メニューの幅が広く、高級感のあるレストランだ。

ワインリストはマージンは大幅。でもデザートワインから日本酒、コニャック、シングルモルト、ウイスキーとそろえてある。

アイロンシェフのミスター・モリモトのレストランへ行ったよ、とお金持ちとツーリストが満足するレストラン。

現地に住む日本人同士で、日本食が食べたいから、モリモトへ行こうよというレストランではなくて、ナパへやってきたツーリストが一度はいってみようかというレストランでもある。


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